コロナ対策で観客とスタッフの接触を最小限にするため、チケットを自分でもぎったのはなかなか面白い体験でした。

試合前には今季からのアシスタントMCがお披露目。新潟出身で福島県内の学校に通う女の子で、アルビレックスの試合にも足しげく通っていたとの事。「好きな選手は?」の質問には「アルビでは本間至恩選手…」と答えるも、「そこは堀米だろ!(福島OB)」と容赦ないツッコミ。ちなみに福島の好きな選手には言及なし、本業ともども勉強中といったところの様子。
スタメン
GK 1ファンティーニ
DF 11雪江 19河西 21吉田 25前田
MF 7田村 8池田 10橋本拓門 29吉永 40樋口
FW 9イスマイラ

サブ
GK 16キム  DF 3阪田 5岡田  MF 17諸岡 18 橋本陸 24鎌田  FW 20トカチ

宇佐美がメンバーから外れ、河西が先発(宇佐美はスタンドで歩いてたから大事ではないと信じたい)。高卒ルーキーの鎌田が初ベンチ入り。


◆前半

ファーストシュートは福島。中盤の底から樋口が縦パス、田村が橋本とのワンツーから前を向きミドル。いい感じの組み立てからシュート。5分、中盤でのこぼれ球を吉田が頭で力強く前に送り、吉永のスルーパスにカカが反応、相手DF2枚を反転で振り切りシュートもバーの上。8分、岩手の反撃、縦パス一本からのカウンターにオフサイド気味に抜け出されるも、追走した河西が粘り、さらにはファンティーニもボールに飛び込みフィニッシュには持ち込ませず。

立ち上がりから福島がゲームを支配、上手くボールを回して余裕さえ感じされる。対する岩手は2トップを中心に速攻を狙う展開。

11分、吉田が最後尾のファンティーニまでボールを戻したところに相手FW(9番)に食いつかれ、レイトタックルで削られる。このファウルで得たFK、ファンティーニのリスタートからカカが抜群の跳躍で相手に競り勝つと、吉永が田村のパスに抜け出しシュート。ふわりと狙ったシュートは枠の外。このゲーム最初の大きな決定機だったが決めきれず。

14分、左サイドの田村から右の前田に大きなサイドチェンジ、エリア内を狙った低いパスは通らず。直後にも左サイドに相手を引き付けてから、吉永が同じように前田に展開、折り返しに田村が合わせるがシュートはミートせず。15分、岩手の速攻を食らうがオフサイド。16分、池田が右サイドで鬼神のごとき突破、何人抜いたのかという見事なドリブルを見せるが、ラストのクロスはカカとタイミングが合わず(なんとなくカカが感じてなかった気が)。

18分、相手GKから最終ラインへのパスに樋口が飛び出し猛烈なプレス、ボールを奪い取ることに成功。数的優位のチャンスに吉永がスペースにボールを流し、飛び込んできた前田がシュートを放つがゴールマウス内までカバーに入った相手DFに阻まれる。直後、岩手がスローインからの速攻も雪江が追いつき見事に競り勝つ。

20分、池田の縦パスを受けた前田が倒されFK獲得。流してくれても面白かったが…樋口が直接狙うが枠をとらえくれず。22分、中盤で樋口と橋本のパス交換のところで奪われ、速攻からスルーパスを狙われるがファンティーニが確保。返しの攻撃、福島がじわじわとボールを運び、田村がまたしても前田にサイドチェンジ、相手をかわす切り返しのパスに合わせた池田が強烈なミドル。GKがこぼしたボールを田村が拾い、角度の無い所からクロス、カカがどうにか頭で合わせようとするが押し込めず。

ここで飲水タイム。再開後の30分、福島がポゼッションで相手を押し込む展開から、中盤の底まで入っていた前田が縦パス、吉田が抜け出したかに見えたがオフサイド。32分、岩手のロングボールに抜け出そうとする相手FW(9番)がマークに付いた雪江を引きずり倒すラフプレー。これには声を出すなと言明されているスタンドのそこかしこからも抗議の声。33分、今度は樋口が相手FW(9番)をぶつかりあいで吹っ飛ばす。

気持ちの入った好プレーだったと個人的には思うが、このプレーで与えたFKをきっかけに岩手の連続セットプレーでゴール前に釘付けにされる(余談だが相手FW9番はCKの最中に味方選手になだめられていた)。CKから続くロングスローにはカカが打点の高いヘッドで跳ね返すが、こぼれ球に突っ込んだ前田がエリアぎりぎりでファウルを取られイエロー。直接ゴールに襲いかかるボールをファンティーニがパンチングで弾き出す好守。CKにも雪江、続くCKも最後はファンティーニが飛び出しキャッチ。

40分、ビルドアップに参加した樋口がまさかの空振り、一気にカウンターを食らい最後は相手FW(9番)に押し込まれる。なんとまあ決められたくない人に決められてしまった。前半残り時間は少ないながらも同点に追いつきたいところだが決定打が打てない。前半ATに入った当たりでも自分たちの意図するパス回しからゴール前に押し込むが、ここでシュートを撃ってくれというところで撃てずじまい。

このまま前半終了。0-1で折り返し、立ち上がりからの「いけそう感」が尻すぼみに終わってしまった。空模様も暗雲が漂ってきたが、まさか試合も同じになるんじゃ…。


~ハーフタイム~

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◆後半

後半開始と前後して雨がパラついてきた。それにともない風も出てきて、福島が風上のシチュエーション。

48分、最終ラインからのロングボールに抜け出した吉田が折り返し、エリア内の吉村の足元に入るがシュートまで持ち込めず。50分、岩手がボール保持からスペースを狙ったロングボール、ゴールライン際で追いついた折り返しを頭で合わせられるが枠の外。ゴール前の選手たちが「これは切れるな」とセルフジャッジしてたように見える…。

54分、岩手の前線からのプレスを雪江がかわしてボールを運ぼうとすると、相手に背後からつかまれ引き倒される。アメリカンフットボールでいうところのホースカラータックル。この辺りから雨脚も強くなってきた。57分、福島が最終ラインからのビルドアップに成功、左サイドの田村から中央の橋本、さらに左の吉田がクロス、樋口が飛び込むが合わせきれず。59分には池田が右サイドでこぼれ球を確保したかに見えたが、コントロールが乱れたところで相手と接触しファウルの判定。セットプレーはアバウトなキックに助けられる。

62分、停滞気味の流れを断ち切るようにカカが遠めの位置からやや強引にシュート。コースが変わったが相手GKの守備範囲内。63分には福島が2枚同時替え、池田に代えて橋本陸、橋本拓門に代えて鎌田がプロデビュー。これをきっかけに勢いを引き寄せたいところだが、64分には左サイドから崩されかけ雪江がサイドにクリア。さらにスローインから同サイドをワンツーで崩されクロス、ファーに飛び込まれヘッドで合わせられる。

福島の反撃は66分、鎌田→樋口→橋本陸とショートパスで中央をこじ開けると、エリア内に進入した吉田が相手DFとGKを引き付け折り返し、押し込み切れなかったがファーで前田が落とし樋口がシュート。CKのチャンス、こぼれ球を橋本陸がエリア外から思い切りよくシュート。相手GKの好守に阻まれるがスタンドからも思わず拍手が。さらに続くCKにカカがとんでもない打点のヘッドを放つもコントロールしきれず。

雨脚がますます強くなる中、70分には田村が縦パスに抜け出すがマイナスのパスは相手にカットされる。ゴール前に何人か走ってたからシンプルにクロスで良かったんじゃ…。岩手のカウンター、サイドからの折り返しには雪江が反応。71分、中盤右サイドでボールを確保した前田から中央の鎌田→吉永→左の田村とつなぎ、最後は鎌田が狭いスペースを通し樋口がミドル。

73分、最終ラインでのビルドアップに岩手の選手たちが食いつくとファンティーニが一気に縦パス、中盤までボールを運びポゼッション開始、最後は縦パスに前田が走りこむがボールを確保できず。75分、河西の縦パスに再度前田が走り込み今後はCK獲得。流れを引き戻すべく精力的にアップダウンを繰り返す。76分、前線に走りこんだ雪江が一旦田村に戻す、スペースを狙ったパスに橋本陸が反応し折り返すも、相手DFがブロック…と、ここでホイッスルが鳴りPK獲得。キッカーは田村、相手GKの逆を突くキックで同点に追いつく。

再開直後の78分、雪江が最終ラインでボールを奪われるが、すかさずファンティーニが飛び出しピンチを防ぐ。直後の攻撃、ロングボールにカカが追いつき、最後は田村がエリア内にパスを狙うが相手がクリア。岩手の速攻に河西がカバーに入る。最終ラインまで下りた田村から右サイドの前田→橋本陸とつなぎ、中央の鎌田からカカが落とし、前田が中央突破を狙うが崩しきれず。81分、岩手が縦パスでスペースを狙ってくるがここは前田が勝つ。

82分、樋口に代えてトカチ投入。オープンな展開が増えた中で決勝点を奪えるか。83分、スカスカの中盤を橋本陸→鎌田と運び、最後はカカがドリブルでドリブルからゴールライン際で切り返し、シュートは力なくGKが抑える。84分、中央の鎌田→右の前田→中の橋本陸→右のトカチとつなぐも、最後トカチが仕掛けるが崩しきれず。

86分、岩手のCK、ゴール前で田村が抑えカウンター、鎌田が中央をドリブルで持ち上がり、前を走る前田に一旦預けてから右の田村にスルーパス、エリア内で切り返しゴール前の鎌田に短いパス、シュートは一度阻まれるも再度冷静にシュート。が、相手GKの好セーブ。88分、橋本陸が中央で相手に接触を受けながらも粘り強くパス、ボールを受けたトカチは完全にバランスを崩しながらもボールキープ、相手DF2枚を背負いながらシュートまで持ち込む。

後半終了間際、縦パスにカカがトップスピードで疾走、ゴールライン際で追いつくが中央には折り返せず。ATに入り試合終了直前、岩手にセットプレーを与えてしまうがシュートまで持ち込ませない。

1-1で試合終了。両チームにとって勝てる試合だっただけに、文字通り痛み分けの結果。追いつかれた岩手陣営は最後まで審判団に食い下がり、「必ず来いよ!」と声を荒げる選手も居たほど。今日は挨拶無しかと思ったら、田村主将の号令の下、一礼。観客も試合中できない鬱憤を晴らすかのように拍手で答えたのでした。


~個人的雑感~

内容的にはよくやったと思います。前半は失点までは完璧。守備ではCBの2人はフィジカルの強い相手FWをしっかり守っていましたし、攻撃面でも後半見せた「これぞティキタカ!」と言いたくなるパスの崩しは見事でした。これで勝てないのがなあ…という典型的な試合。あとはゴール前での狭いスペースからいかに得点に結びつけるか。一番難しい課題が残ってます。